本文へ移動

畑からの知恵と実践

記事

完全放置していた畑で、オレンジ色のかぼちゃが想像以上に育っていた|2026年8月の畑だより

植えたあと、ほぼ完全に放置していたかぼちゃ畑。久しぶりに入ると、打木赤皮甘栗かぼちゃが想像以上に育っていました。アリカの主力作物にしてもよいと思うほどの手応えと、まだ確かめるべきことを記録します。

公開日:2026/8/29読了目安:約5

ほぼ完全に放置していたかぼちゃ畑で、オレンジ色の実が想像以上に育っていました。

正直に言うと、この畑にはほとんど手をかけられていません。つるを細かく整えることも、草をきれいに管理することもせず、植えたあとは長いあいだ様子を見に行けていませんでした。

だから久しぶりに畑へ入ったときも、大きな期待はしていませんでした。ところが、草の残る畝のあちこちに葉とつるが広がり、その間から鮮やかなオレンジ色の実がいくつも見えました。手に取って見ても、形が整い、ずっしりと育っています。

今年は人参の生育にも大きな手応えがありました。それに続いて、かぼちゃまでここまで育っている。アリカの自然栽培では、かぼちゃを主力作物の一つにしてもよいのではないか。そう思うほど驚いた、現在のかぼちゃ畑を記録します。

完全放置だった畑に、オレンジ色の実がいくつもありました

畑全体を見ると、草が残り、畝の形もきれいにそろっているわけではありません。一般に思い浮かべる、隅々まで管理されたかぼちゃ畑とは違う景色です。

それでも株元へ近づくと、葉はしっかり広がり、つるは畝を越えて伸びています。写真で確認できるだけでも、一つの株の周りに複数の実がつき、別の場所でもオレンジ色の実が育っていました。表面には小さな傷や土の付着もありますが、畑で育っている姿としては、こちらの予想を大きく超えるものでした。

今回の「放置」は、狙って省力栽培の試験をしたという意味ではありません。単純に、ほかの畑の作業が重なり、この畑へ十分な手をかけられなかったという事実です。その条件でも実が育ったことが、何より強く印象に残りました。

ほぼ手をかけられなかった、2026年8月のかぼちゃ畑

草が残る畑全体から、葉の間で育つ複数の実、手に取ったオレンジ色のかぼちゃまでを記録しました。

1 / 6植えたあと十分に手をかけられず、草も残っている畑。それでも、かぼちゃの葉とつるが畑の各所へ広がっていました。

普通の緑色ではない「打木赤皮甘栗かぼちゃ」

今回アリカで植えたのは、一般的な濃い緑色のかぼちゃではなく、打木赤皮甘栗かぼちゃです。読み方は「うつぎあかがわあまぐりかぼちゃ」。鮮やかな橙色の果皮が目を引く品種です。

加賀野菜の公式資料では、1933年に金沢市打木町へ導入された赤皮栗から、着果性や色のよいものを選び育てた品種と説明されています。果色が鮮やかで、果肉が厚く甘いことから広く栽培された歴史があります。参考:打木赤皮甘栗かぼちゃ|加賀野菜公式

写真の実も、明るいオレンジ色と、先が少し細くなる形がよく表れています。ただし、今回の実をまだ切って食べたわけではありません。アリカの畑で育ったものの果肉、甘さ、食感については、収穫後に実際に確認してから記録します。

人参に続き、かぼちゃにも大きな手応えを感じました

今年のアリカでは、人参が想像以上によく育ちました。そして今回、かぼちゃでも同じように、こちらの予想を超える生育を確認しました。

特にかぼちゃは、この畑へ細かな管理を続けていなかったことが大きな驚きです。少ない手入れでも実がつき、複数の株で育っているのであれば、限られた人数で複数の畑を管理するアリカにとって、非常に大きな可能性があります。

さらに、打木赤皮甘栗かぼちゃは見た目にもはっきりと個性があります。普通の緑色のかぼちゃとは違う鮮やかな色は、畑で育つ姿そのものに価値があり、アリカが実際に何を育てているのかを写真で伝えやすい品種です。

この時点で「主力に決定した」わけではありません。それでも、来年以降の作付けを考えるうえで、かぼちゃの比重を上げて本格的に検証する価値は十分にあると感じています。

放置して育った理由は、まだ決めつけません

ここで分けておきたいのは、畑で確認した事実と、その理由についての仮説です。

確認できた事実は、アリカが肥料・農薬・除草剤に頼らず育てているかぼちゃ畑で、十分な管理ができなかった期間を経ても、葉とつるが広がり、複数の実が育っていたことです。一方で、なぜここまでよく育ったのかは、まだ測定していません。

品種自体の強さ、今年の気温や雨、土の水分、根の張り方、周囲の草との関係など、考えられる条件は一つではありません。「放置したから育った」「自然栽培なら必ず同じように育つ」とは言えません。

アリカは、生きた根を一年の中でできるだけ長く畑に置き、根から根圏へ渡る炭素と、微生物や菌根菌を含む土の生き物の働きを育てることを大切にしています。根から出る物質が根圏の微生物群集と植物―土壌の関係に影響することは研究でも示されていますが、結果は植物、土、環境によって変わります。参考:根の分泌物と植物―土壌フィードバックの研究(Nature Communications)

今回のかぼちゃ畑で微生物量や炭素量を測ったわけではないため、研究結果をこの実の原因へそのまま当てはめることはしません。今後もカバークロップ、不耕起または必要最小限の耕起、生物多様性を重ねながら、畑ごとの結果を見ていきます。

主力作物にする前に、収穫後まで確かめます

「よく育っている」という現在の手応えを、本当に来年の作付けへつなげるには、収穫後の確認が必要です。

  • 畑全体で何個収穫でき、販売できる状態の実がどれだけあるか。

  • 実の大きさ、重さ、形、果皮の傷み方にどの程度のばらつきがあるか。

  • 切ったときの果肉の厚さ、食感、甘さがどうか。

  • 収穫後にどれくらい保存でき、品質がどう変わるか。

  • 病害虫や腐敗の有無と、栽培に実際どれだけの作業時間がかかったか。

  • 販売する場合、お客様にこの品種の違いと魅力が伝わるか。

これらを見たうえで、来年の面積と株数を決めます。同じ場所で連作するのか、圃場を替えるのか、自家採種へ進むのかも、現時点では未決定です。収穫量や味だけでなく、その土地で無理なく続けられるかまで確かめていきます。

かぼちゃが、アリカの主力になるかもしれない

今の段階で言えることは、とてもシンプルです。

ほぼ完全に放置していた畑で、打木赤皮甘栗かぼちゃが想像以上によく育っていました。

この一度の結果だけで、栽培方法の正しさや来年の成功まで証明されたわけではありません。それでも、今年のこの畑、この天候、この品種の組み合わせで、かぼちゃが力強く実ったことは、アリカにとって大きな発見です。

人参に続いて、かぼちゃでも感じた手応え。これを偶然の一枚で終わらせず、収穫、食味、保存、販売まで記録し、次の作付けへつなげます。毎年の観察と選択を積み重ね、その土地に合う作物と育て方を見つけていく。その積み重ねが、アリカのテロワールになっていきます。

かぼちゃ畑の続きは、かぼちゃ畑だよりにまとめます。

現在ご案内できる野菜は、オンラインショップでご覧いただけます。

今、販売中の野菜を見る

FROM THE FIELD

畑の今を、食卓へ。

その時に収穫できた野菜だけをご案内しています。