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畑からの知恵と実践

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春は約1か月、今回は1〜2週間。耕さず播いた秋大根とにんじんが発芽|2026年8月の畑だより

クリーンシーダーの不耕起用ディスクで秋大根の2回目を播種し、草刈り機で草を刈りました。1週間前の秋大根と約2週間前のにんじんは早くも発芽。春との違いを、畑で確認できた事実と仮説に分けて記録します。

公開日:2026/8/27読了目安:約5

今回の畑だよりは、秋大根の2回目の播種と、その前に播いた秋大根・にんじんの発芽についてです。

クリーンシーダーに不耕起用ディスクを取り付け、草のある地面を耕さずに秋大根を播種しました。そのあと、細かな場所を草刈り機で刈って畑を確認。すると、1週間前に播いた秋大根はすでに双葉を開き、約2週間前に播いたにんじんも細い芽をしっかり伸ばしていました。

春に播いたときは、大根もにんじんも同じくらいの姿になるまで約1か月。今回は1〜2週間ほどで発芽を確認できたため、畑に立って見た瞬間、正直かなり驚きました。

秋大根の2回目も、耕さずに播きました

秋大根は時期を分けて2回播く計画で、今回はその2回目です。

前回と同じく、クリーンシーダーへ不耕起用ディスクを装着しました。畑全体を耕して土を裸にするのではなく、ディスクで地表に細い播種溝をつくり、そこへ種を落としていきます。播種を終えてから、草刈り機で周囲の草を刈りました。

草をすべて抜き取って持ち出すのではなく、作物の列と小さな芽を確認できる状態へ整える作業です。畑全体を一度に大きく動かさず、必要な場所に必要な分だけ手を入れました。

秋大根の播種と、大根・にんじんの発芽

2回目の秋大根を播いた畑から、約1週間後の秋大根、約2週間後のにんじんへ。

1 / 3秋大根の2回目の播種後、草刈り機で草を刈った畑全体。耕さず、草のある地表へ不耕起用ディスクで播種しました。

1週間前に播いた秋大根は、もう双葉を開いていました

今回播いた列の近くでは、1週間前に播いた秋大根が発芽していました。草の間に小さな双葉が並び、どこに大根を播いたのか目で追える状態です。

もちろん、発芽したことと、この先きちんと太ることは別です。今後は欠株の有無、虫害、草との競合、根の伸び方などを見ていく必要があります。それでも、まず地上へ出るところまでが早かったのは、春の記録と比べて大きな変化でした。

約2週間前に播いたにんじんも、列が分かるほど発芽

さらに驚いたのが、約2週間前に播いたにんじんです。

にんじんの芽は大根の双葉より細く、草の中では見落としやすいのですが、近くで見ると細い葉が何本も立ち上がっていました。春は、ようやく小さな芽を確認できるまで約1か月かかっています。今回はその半分ほどの期間で、列をたどれるくらいまで出ていました。

今回確認できた事実は、「耕さずに播いた秋大根が約1週間、にんじんが約2週間で発芽していたこと」と、「春より早く同程度の姿を確認できたこと」です。

発芽が早かったのは、不耕起が関係したのか

まず思い浮かんだのは、今回は耕さず、そのままの土へ播いたことです。耕起で土を大きく崩さなかったため、表土の乾燥が抑えられ、種の周りに必要な水分が残りやすかった可能性があります。

ただし、現時点で「不耕起にしたから発芽が早まった」とは断定できません。春と8月では地温が違います。播種後の雨や湿度、播種深さ、種の状態も発芽日数を左右します。比較区をつくって同時に測った試験ではないため、今回は有力な仮説の一つとして残します。

米国農務省農業研究局(USDA ARS)は、不耕起が土壌水分や土の構造を保つ助けになる一方、春先の不耕起土壌は耕起した土壌より湿って冷たくなりやすいことも説明しています。つまり、不耕起の影響は季節や土の状態で変わり、「いつでも発芽を早める」という単純なものではありません。参考:不耕起と土壌水分・地温について(USDA Agricultural Research Service)

また、Utah State University Extensionでは、にんじんは適した温度条件でも出芽まで14〜21日ほどを要すると紹介されています。今回、約2週間で確認できたことは不自然ではありませんが、春の約1か月と比べれば、畑の条件が変わったことを考える手がかりになります。参考:にんじんの発芽と温度の目安(Utah State University Extension)

耕さないことで、土の中のつながりを残せるか

アリカの畑で不耕起によって見ているのは、発芽の速さだけではありません。前作や草の根が通った穴、団粒、根の周りにできた根圏を大きく壊さず、次の作物へつなげられるかを見ています。

植物は光合成で得た炭素の一部を根から根圏へ放出し、生きた根の周りで微生物群集との関係を形づくります。菌根菌を含む土壌生物との関係も、畑の循環を考えるうえで重要です。参考:根から出る物質と植物・土壌の関係について(Nature Communications)

ただし、この畑で微生物量や菌根菌を測定したわけではありません。今回の早い発芽を微生物の働きと決めつけず、土の水分、地温、根の張り方、収穫までの生育を続けて記録します。

2026年現在のアリカの畑は、自然栽培へ移行し始めた段階です。夏草のカバークロップは、これまでの播き方では狙いどおりに成立しませんでした。これから冬草のカバークロップを不耕起用ディスクで播く計画で、草や作物の根を途切れさせない方法を試します。植物、昆虫、天敵を含む生物多様性がどう変わるかも観察していきます。

将来は、自家採種した種をこの土地でつなぎ、同じ場所での連作も重ねながら、青森の気候・土・生き物との関係を作物へ積み上げていく考えです。その長い積み重ねが、アリカのテロワールになると考えています。

今回確認できたことと、これから確かめること

  • クリーンシーダーの不耕起用ディスクで、秋大根の2回目の播種を行った。

  • 播種後、草刈り機で草を刈り、作物の列を確認できる状態にした。

  • 1週間前に播いた秋大根が発芽していた。

  • 約2週間前に播いたにんじんが発芽していた。

一方で、春より早かった主因はまだ分かりません。今後は播種日だけでなく、雨、土の乾き方、可能であれば地温も併せて残し、不耕起との関係を見ていきます。

この畑には、今後、玉ねぎも播く予定です。今回は主作業が秋大根の2回目の播種だったため「大根畑だより」の続編とし、にんじんの発芽を同じ畑の重要な観察として記録しました。玉ねぎは、実際に播いて変化が見えた段階で、その作業を主役に記録します。

春は約1か月かかった発芽が、今回は1〜2週間。まだ理由は決められませんが、耕さずに播いた畑が見せた明確な変化として、次の生育まで追いかけます。

前回の播種から、続けて記録しています

不耕起用ディスクを初めて使った前回の播種は、草が生えたまま秋大根をまけた。不耕起用ディスクを初使用でご覧いただけます。

大根の畑で起きた変化は、大根畑だよりにまとめています。

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