草は、作物と光や水分を取り合うことがあります。同時に、地表を覆い、土の中へ根を伸ばす畑の一員でもあります。
アリカは、草を敵として全部なくすのでも、何もせず放置するのでもありません。
このガイドの結論
草を生かすには管理が必要です。作物、季節、草の勢い、土の水分を見ながら、残す、刈る、倒す、敷くを選びます。
その中心にあるのが、生きた根から土へ渡る炭素と、根の周りで働く微生物です。
草・根・土・微生物は別々ではない
- 地上の草:作物と光や水分を取り合うことがあります
- 草の根:地上部を刈ったあとも土の中に残ります
- 地表の草:刈って敷けば、裸の土を覆います
- 作物の根:炭素を根圏へ出し、微生物との関係をつくります
- 土の生きもの:植物の残りや根からの炭素を使い、土の循環へ関わります
土の中で起きていることをすべて直接見ることはできません。根、草、土の湿り方、硬さ、作物の変化を手がかりにします。
自然栽培全体の中での位置づけ
草の管理は、根から根圏へ渡る炭素と微生物・菌根菌の関係を育てる土台です。アリカの畑では、不耕起を基本にし、夏草・冬草のカバークロップで生きた根をつなぎ、生物多様性と天敵の居場所を増やす計画です。
将来は自家採種と連作を重ね、種、作物、土の関係をアリカのテロワールへつなげます。2026年の現在は、夏草ミックスは未実施で、冬草ミックスから始める段階です。
刈る・倒す・敷く・残すの違い
- 刈る:草が作物を覆う、種を付ける前に勢いを抑えたい場合
- 倒す:根を残しながら地表を覆いたい場合
- 敷く:刈った草を作物の周囲や地表へ戻す場合
- 残す:作物への影響が小さく、畑の一部として生かせる場合
草の量が多すぎる、根元が湿り続ける、作業や収穫の妨げになる場合は調整します。方法を固定せず、畑の状態で変えます。
自然に生える草とカバークロップ
カバークロップは、畑を覆う目的でまく植物です。アリカは、夏に育つ草と冬に育つ草をそれぞれ複数混ぜ、圃場に合わせて使う計画です。
直根とひげ根、浅い根と深い根など、異なる根の空間を重ね、一年を通じて生きた根がある期間を伸ばします。
まけば終わりではありません。いつ刈るか、倒すか、次の作物の種まきへどうつなぐかまでが管理です。
植物の種類を増やす理由
根の種類や伸びる時期が増えれば、根圏の場所と時間の幅も広がります。花や地表の覆いは、昆虫やクモなどの居場所にも関わります。
アリカは、植物、昆虫、微生物の多様性を高め、一種類の害虫だけが増え続けにくい畑を目指します。
ただし、植物の種類を増やせば必ず被害が減る、混播なら単播より常に優れる、とは言えません。圃場ごとの結果を記録します。
2026年の現在地
夏草ミックスは時期に間に合わず、2026年は未実施です。冬草ミックスから本格的に始めます。
今は完成した多様な畑ではありません。どの草を、どの比率で、どの圃場へまき、その後どうなったかをこれから記録します。
自然に生えた草の管理では、すでに作業と結果があります。ごぼう畑では膝上まで伸びたアカザを刈り、ごぼうへ光が届く状態にしました。
実際の畑記録
科学的な根拠と反証
植物の多様性と、根圏微生物の関係を支持する研究があります。一方、短期間の圃場試験では、混播と単播で土壌微生物群集に大きな差が出なかった例もあります。
植物の根から出る物質が根圏の微生物群集と植物―土壌の関係へ関わることを示した研究もあります。これは草、根、土、微生物を一体で見る根拠の一つですが、カバークロップの混播効果を直接証明するものではありません。参考:根から出る物質と植物―土壌の関係
研究条件の違いを隠さず、アリカの畑では圃場ごとの変化を確認します。参考:植物多様性と根圏微生物/混播と単播の差が小さかった圃場試験
次に読む
次は、観察して手を入れる畑の管理です。土を動かしすぎない理由は、不耕起を基本にした畑づくりで説明します。
FIELD NOTES
この畑の記録
最初の記事を準備中です。畑の記録ができ次第、この場所に追加します。