アリカは不耕起を基本にします。ただし、「一切土を動かさない」という決まりを守ることが目的ではありません。
このガイドの結論
不耕起は、根の通り道、菌糸、土の粒のまとまり、水と空気が通る隙間を大きく壊さず、生きた根と微生物が働ける土を育てるための手段です。
作物や収穫方法によって土を動かす必要がある場合は、例外を隠さず、必要な範囲で行います。
なぜ土を動かしすぎないのか
土の中には、植物の根、微生物の菌糸、水と空気の通り道があります。土の粒が集まった構造も、時間の中でつくられます。
強く耕せば、一時的に土が細かく、やわらかく見えることがあります。同時に、でき始めた構造や根、菌糸のつながりを切ることもあります。
アリカは、毎回土を作り直すのではなく、根と生きものがつくる構造を次の作へ残すことを目指します。
生きた根が炭素を土へつなぐ
植物は、光合成で得た炭素の一部を根から根圏へ出します。その炭素は、根の周りの微生物にとって重要なエネルギー源です。
そこでアリカは、できるだけ長い期間、生きた根を土に置くことを重視します。夏草・冬草のカバークロップも、その期間と根の種類を増やすための計画です。
不耕起だけで畑が育つのではありません。生きた根、草の管理、作物、微生物、観察を一緒に進めます。
自然栽培全体の中での位置づけ
不耕起は、根から根圏へ渡る炭素と微生物・菌根菌のつながりを残す手段です。アリカの畑では、夏草・冬草のカバークロップで生きた根を増やし、生物多様性と天敵の居場所を育てる計画です。
将来は自家採種と連作を重ね、土地と作物の関係をアリカのテロワールへつなげます。2026年の現在は移行途中で、長いもとごぼうには例外があります。
種まきと植え付けに必要な範囲は動かす
種が土へ触れ、発芽できる状態をつくるため、種まきの場所を開けたり、植え付け部分を整えたりする場合があります。
大切なのは「動かしたか、動かしていないか」だけではなく、何のために、どこまで動かしたかです。
完全な不耕起にしない作物
2026年時点では、長いもとごぼうを例外とします。
長いもやごぼうは、深く伸びる根を育て、傷めず収穫するために土を動かす作業が必要です。方法の名前を優先し、作物を無理に同じ扱いにはしません。
じゃがいもでも、収穫時は機械で土から芋を持ち上げます。収穫、草、次の種まきまでを含めて、動かす範囲を減らす方法を考えます。
切り替えは一度で完成しない
慣行栽培をしていた畑から、不耕起を基本にする畑へ一度で変わるわけではありません。
土の硬さ、排水、草、作物の根、生育、作業性を見ながら、次の作で土を動かす範囲と回数を見直します。
耕さなければ必ず土がよくなる、収量が増える、雑草が減るという約束もしません。土壌、気候、作物、期間で結果は変わります。
実際の畑記録
科学的な根拠と限界
根から土へ入る炭素が、安定した土壌有機物の形成へ関わることを示す研究があります。耕起を減らすことと土壌特性の関係をまとめた研究もあります。
ただし、研究の結果は土壌、気候、作物、期間、ほかの管理で変わります。アリカの畑でも同じ結果になるとは断定しません。
次に読む
次は、自家採種と連作で種をつなぐです。不耕起と一緒に使う草の考え方は、草・土・微生物と育てるへ戻って確認できます。
FIELD NOTES
この畑の記録
最初の記事を準備中です。畑の記録ができ次第、この場所に追加します。