春菊の栄養を調べるときは、「生の葉」か「ゆでた葉」かを先に決め、実際に食べる重さへ換算します。
文部科学省の食品成分表には、春菊の葉の生(食品番号06099)とゆで(06100)が別々に載っています。
どちらも可食部100g当たりの標準値です。
同じ100gと書かれていても、調理前に量った100gと、ゆで上がりを量った100gを同一の束として比べる表ではありません。
数字を読むための三つの条件
成分 / 生の葉100g / ゆでた葉100g / 生の葉40gの計算例
β-カロテン / 4,500μg / 5,300μg / 1,800μg
葉酸 / 190μg / 100μg / 76μg
ビタミンC / 19mg / 5mg / 7.6mg
カルシウム / 120mg / 120mg / 48mg
食物繊維総量 / 3.2g / 3.7g / 約1.3g
右端は生100gの値を0.4倍した算術例で、40gを一食の推奨量とする意味ではありません。
β-カロテンの含有量はそのまま体に吸収される量を示しません。
数字を使う手順は、まず食べる部分から傷んだ葉や硬くて除く部分を分け、次にその可食部を量り、最後に調理状態に合う列を選ぶことです。
生で40g食べるなら生の列に0.4を掛け、ゆで上がりを40g食べるならゆでの列に0.4を掛けます。
量り始める時点が違うため、生40gの例をゆで40gへそのまま置き換えません。
「ゆでるとβ-カロテンが増える」とは言えない
表ではβ-カロテンが生100gの4,500μgから、ゆで100gの5,300μgへ変わります。
この二つは同じ生葉をゆでる前後に追跡した値ではありません。
加熱後に水分や重量が変わると、100g当たりの濃度も変わります。
表の大小だけを根拠に「ゆでると成分そのものが増える」と説明するのは誤りです。
反対に、ビタミンCは生100gの19mgに対し、ゆで100gは5mgです。
ここからも「同じ束のビタミンCが何mg減ったか」や、ゆで汁に何mg移ったかまでは計算できません。
調理前の可食重量、ゆでた後の重量、ゆで汁を飲むかどうかが必要です。
鍋の汁まで食べる料理には、ゆでて汁を捨てた葉の列を機械的に当てはめないでください。
家庭で使うときの読み方
鍋に入れた春菊を汁ごと食べる日は、「葉をゆでて引き上げる」食品成分表の条件と完全には一致しません。
おひたしでは、ゆでた後に絞る程度でも食べる重量が変わります。
成分表は料理一皿の測定結果ではなく、食品の状態別の目安です。
野菜の栄養を一皿へ換算したいなら、生で入れた量と食べた量を混同しないことから始めます。
春菊の葉先がしおれている、傷んでいる、ぬめりがある場合は、数字を優先して食べる量を増やさず、食材の状態を先に確かめます。
生で使う場合は流水で洗い、清潔な道具と手で扱います。
洗うことと、傷んだ葉が食べられる状態に戻ることは別です。
生鮮野菜の衛生については農林水産省の案内も参照してください。
アリカで扱う春菊の個別栄養分析や、この記事用の実調理記録は確認できていません。
表は文部科学省の標準値であり、アリカの商品成分の実測値、調理結果、健康上の効果を示すものではありません。



