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畑からの知恵と実践

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冬草ミックスに麦と豆を入れる理由—炭素と窒素を片方だけにしない

アリカの2026年冬草ミックスは、イタリアンライグラスを含むイネ科、マメ科、花を咲かせる植物を組み合わせました。 狙いは単一の万能草ではなく、炭素、窒素、根の形、開花時期の違いを畑へ置くことです。

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結論:麦類などのイネ科と豆類などのマメ科を混ぜるのは、片方を万能とみなさず、炭素量の多い根・地上部と、根粒菌との共生が成立した場合の窒素固定可能性を同じ圃場へ置くためです。

ただし、混ぜるだけで炭素も窒素も増え、生物多様性が上がり、次作が良くなるとは限りません。

発芽時期、競合、越冬、播種比率、土壌条件によって、一種だけが優占することもあります。

2026年に播いた冬草ミックス

アリカが2026年8月に撮影した一次写真です。イタリアンライグラスを含むイネ科、マメ科、花を咲かせる植物など、形の違う種を混ぜています。

1 / 1アリカが2026年8月に撮影した一次写真です。イタリアンライグラスを含むイネ科、マメ科、花を咲かせる植物など、形の違う種を混ぜています。

イネ科へ期待する役割

イネ科は一般に、細い根を多く張り、地上部と根へ比較的炭素量の多いバイオマスを作る役割が期待されます。

地表を覆い、土の流亡を抑え、次作前に刈れば残渣を置ける可能性があります。

しかし、成長が強ければ水や光を使い、次作との競合や窒素の一時的な利用制限につながる場合もあります。

炭素が多いことを無条件の善とせず、刈る時期と残渣の分解を一緒に見ます。

マメ科へ期待する役割

マメ科は、適合する根粒菌との関係が成立し、生育条件が合えば、大気中の窒素を植物体へ取り込む窒素固定が期待できます。

SAREのカバークロップ資料も、マメ科の窒素供給可能性と管理上の特徴を整理しています。

ただし、種をまいただけで窒素固定が成立したとは言えません。

根粒の形成、植物の生育、土壌窒素、温度、水分で変わります。

アリカの畑で窒素量を測っていない段階では、『豆を入れたので無肥料でも窒素が増えた』とは書きません。

混ぜる狙いは、平均ではなく違いを置くこと

  • 根の形と深さが異なる植物を同時に置く

  • 地上部の高さと被覆速度を一種へ依存しない

  • 炭素量の多い残渣と、窒素を比較的多く含む残渣の両方を作る可能性を持つ

  • 開花時期の違いがあれば、昆虫へ餌資源の時間差を作る可能性がある

  • 寒さ、湿り、播種むらに対し、一種の失敗で全面が裸になる危険を下げる可能性がある

この『可能性』は、実際に複数種が成立して初めて意味を持ちます。

混合した種袋の種類数ではなく、発芽後に何種が残り、どの種がどれだけ面積を覆ったかを数えます。

研究結果も一方向ではない

植物多様性を高めた圃場研究では、根圏微生物の関連や炭素利用効率が高まった例が報告されています。

一方、別の短期・複数地点試験では、混播が単播と明確に異なる微生物群集を作らなかった報告もあります。

研究の条件、期間、作物、土壌、気候が違えば結果も変わります。

多様性だけで土壌改善を保証せず、アリカの圃場で成立した植物と、その後の土・次作を長期で追います。

比率は、種子重量だけでは決められない

大粒の豆と小粒のイネ科を同じ重量で混ぜても、粒数、発芽率、初期成長、占有面積は同じになりません。

肥料散布機での落ち方も粒径で偏る可能性があります。

次回は、草種ごとの種子重量だけでなく、推定粒数、機械からの落下むら、圃場の区画別発芽を残します。

比率は『混ぜた割合』と『畑で成立した割合』を分けます。

競合と終了時期を先に考える

冬草がよく育っても、次のじゃがいも定植時期まで残れば作業障害や水分競合になり得ます。

刈る、倒す、浅く処理するなどの終了方法は、地上部の量、茎の硬さ、次作日程で決めます。

イネ科だけが強く残る、マメ科が越冬しない、花が次作前に種を落とすといった結果もあり得ます。

成功の定義を『青くなった』だけにせず、次作へ無理なくつながることまで含めます。

混播を、不耕起・連作・種の時間へつなぐ

アリカでは、耕さずに済む期間を増やし、生きた根から根圏へ炭素が渡る時間を長くしたいと考えています。

冬草ミックスはそのためのカバークロップですが、2026年の現在は播種した段階で、根量、微生物、菌根菌、生物多様性、天敵の増減は未確認です。

次のじゃがいもを同じ畑で作る連作計画では、冬草の成立、終了方法、病害、食害、収量を一続きに見ます。

自家採種も将来計画であり、土地への適応を先に宣言せず、健全性を確認した種を世代ごとに比較します。

混播、不耕起、連作、自家採種は別々の標語ではありません。

根、炭素、微生物、草、昆虫、人の管理が年をまたいでどう変わるかを残し、測定できた積み重ねをアリカのテロワールとして更新します。

アリカが確認する項目

  • 草種別の播種重量、推定粒数、播種面積

  • 7日・14日・30日の草種別発芽と区画むら

  • 越冬前・融雪後の生存種と被覆率

  • 根粒の有無は掘り取り観察とし、窒素固定量とは区別する

  • 地上部・根・残渣量、刈る時期、次作までの分解

  • 土壌窒素、土壌有機炭素、水の浸透、次作収量は測定できた項目だけ公開する

2026年に確認できたこと/未確認

確認できたのは、アリカがイネ科、マメ科、花を含む冬草ミックスを用意し、じゃがいも収穫後の畑へ全面散播し、ごく浅く覆土したことです。

未確認なのは、各草種の発芽率、越冬、根粒、窒素固定量、炭素量、微生物群集、生物多様性、翌年のじゃがいもへの効果です。

狙いと結果を同じ時制にしません。

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