ビーツの土を思わせる香りには、ジオスミンという揮発性化合物が関係します。
ただし、土の洗い残しが根へ移っただけとは限りません。
無菌条件で育てた苗を使った研究は、ビーツ自身がジオスミンをつくれる可能性を支持しています。
表面の土と、根の中の香りを分けて考える
掲載写真はRamesh NG撮影の説明用素材(CC BY-SA 2.0)で、アリカの畑・商品・調理実績を示すものではありません。
洗っても残る土っぽさには理由がある
2003年の研究では、無菌条件で育てたビーツ苗からもジオスミンが確認され、培地へ加えたジオスミンは苗へ吸収されませんでした。
この結果は、ビーツがジオスミンを内生的につくる可能性を支持します。
皮に多くても、皮をむけば必ず消えるわけではない
同じ研究では、成熟した根の皮は胴部や中心部よりジオスミン量が多い結果でした。
部位差は皮を除く調理を試す理由になりますが、品種や個体、調理条件を超えて同じ効果を保証しません。
品種差と環境差を切り分ける
2014年の研究では、複数環境で栽培した品種のジオスミン濃度に品種ごとの傾向が示されました。
栽培方法だけを見て、土っぽさの原因を決めるのは早すぎます。
好き嫌いは、ジオスミン濃度だけで決まらない
2022年の参加型育種研究では、ジオスミン濃度は好ましさや知覚された土っぽさの中心的な決定要因ではありませんでした。
甘さ、苦味、見た目、食経験、調理法まで含めて、人は一つの味として受け取ります。
食卓でできる現実的な一手
表面の土を流水で落とし、土そのものの匂いと根の香りを混同しない
土っぽさが苦手なら、加熱後に皮を除いた部分から少量を味見する
酢や柑橘、乳製品、香草は香りを消す薬ではなく、味の輪郭を組み替える材料として使う
品種名と保存日数が分かるときは、次回の比較のために残す
食べ比べから残った問い
今回の食べ比べでは、購入品に強い土っぽさを感じ、アリカのビーツでは気になりませんでした。
この差をジオスミン濃度や栽培方法の効果とはまだ断定せず、次は同じ条件で比較します。
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Lu et al.『Biosynthetic origin of geosmin in red beets』
Freidig & Goldman『Geosmin production associated with Beta vulgaris is cultivar specific』
Hanson et al.『Geosmin concentration is not the central determinant of hedonic liking in table beet』
掲載写真:Ramesh NG「File:Beetroot on plate.jpg」(CC BY-SA 2.0)
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